銀行の海外送金について知っておくべき事
海外送金は、日本から海外への移住やビジネス、商品の購入等様々なシーンで必要となるサービスですが、その海外送金手数料の透明性や割高な為替レート、送金速度などを含め、銀行の海外送金には多くの問題点があります。本記事では、銀行の海外送金手数料について詳しく解説し、銀行の海外送金にとって変わる海外送金サービスの台頭についてご紹介します
目次
銀行の海外送金【国際電信送金】とは?
海外送金とは、一国から別の国へ資金を送る行為を指します。これは電子的に、銀行や非銀行のサービスを通じて行われ、ビジネス間、顧客からビジネスへ、または個人から個人への資金移動に使用されます。
銀行でいう「海外送金」は国際電信送金を利用しています。主に銀行によって他国へ国際送金される送金方法です。国際電信送金は、より高いセキュリティやより強固なインフラを提供するとされており、銀行を通じて企業間や、個人間で行われています。
処理速度は、利用するサービスによっても異なりますが、銀行で送金されたお金が新しい口座に着金されるまでには、遅い場合1週間近くかかることも多くあります。
SWIFTとは?
1977年に設立されたSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)は、国際銀行間の通信ネットワークとして主要な役割を果たしています。
SWIFTは、銀行や信用組合を世界的な枠組みの下で一つにまとめ、送金プロセスの標準化を目指しました。初めて導入されたとき、このシステムは世界の国際送金市場に革新をもたらしましたが、SWIFTはあくまでメッセージングサービスとして設計されており、各銀行には特定のSWIFTコードが与えられこのコードと銀行口座、ルーティング番号を組み合わせて、銀行は送金の受取人を特定しますが、SWIFTは利便性を追求した結果、送金の追跡やセキュリティなどの機能は実際は備えていないと言われています。
現在でもSWIFTは機能していますが、フィンテック系の企業が従来の銀行に対しては脅威となる競争相手として台頭してきています。新しいテクノロジーは古いシステムを排除し、国際送金を行う全ての人々に利益をもたらしています。
銀行による海外送金の問題点
銀行による海外送金は、一見安全で信頼性が高く、利便性が高いと思われがちですが、実際には多くの問題点があります。
送金手数料
まず、一番に挙げられるのは銀行の海外送金にかかる送金手数料です。これは銀行でも明示されている事が多いので、分かりやすい(見える)手数料ですが、そもそもこの送金手数料自体が高い場合も多くあります。大手銀行などは最低でも数千円~1万円近くの送金手数料がかかる場合があります。
為替レート・為替手数料
為替レートについても注意が必要です。銀行は、為替レートを操作することで利益を得ることがあり、これにより送金額が実質的に減少する可能性があります。これらは「隠れた手数料」とも呼ばれ、送金者や受取人が予想以上のコストを負担する結果となることがあります。
着金手数料
そして最も分かりにくいのがこの「着金手数料」です。相手先の銀行で着金時に発生する手数料ですが、送金時点では分からない手数料の代表格です。送金者自身が支払う事もできず、着金した段階で勝手に引かれ、いくら引かれるかも分かりにくい構造になっていますので、想定額通りに送金する事はほぼ不可能です。
銀行中継手数料
着金手数料の一部になりますが、銀行中継手数料というのも、着金時に加算されて引かれます。これも同様にいつどこで、どの銀行を経由して、いくら引かれるかを事前に確かめるのは困難で、着金した時点で勝手に謎に引かれる厄介な手数料です。同様に送金したい金額通りに送金できないもう一つの隠れた手数料です。
送金スピード
銀行の海外送金は送金スピード(着金までにかかる日数)も、非常に時間がかかります。多くの場合は2日~1週間程かかり、急いで送金する必要がある場合など、この送金スピードは死活問題となります。特に銀行同士の中継を多く挟んだ場合、予め中継銀行を特定する事も難しく、理由が分からず待たされる事になります。
銀行にとって変わる海外送金サービスの台頭
近年、WISEやREVOLUTなどをはじめとするオンライン海外送金サービス(プラットフォーム)が数多く台頭しています。従来の銀行による海外送金に比べ、オンライン型の海外送金プラットフォームは多くの利点があります。以下、その主要な特徴と利点をご紹介します。
- 迅速な送金
オンライン送金プラットフォームは、従来の銀行送金よりも迅速な送金を実現します。一部のサービスでは、数秒~数分で送金が完了することもあります。これは、緊急の支払いやビジネス取引において非常に便利です。 - 低い手数料とその透明性
多くのオンライン送金プラットフォームは、低い手数料を提供しています。また、外国為替手数料も銀行よりもはるかに市場レートに近く、受け取り時の見えない手数料が一切ありません(口座にいくら着金するかは送金時点で確認できます) - 利用しやすいインターフェース
これらのプラットフォームは、使いやすいウェブアプリケーションやモバイルアプリを提供しており、送金プロセスがシンプルかつ直感的なものが多いです。ユーザーは簡単に送金情報を入力し、送金を完了できます。 - 多通貨サポート
オンライン送金プラットフォームは、さまざまな通貨への送金をサポートしています。これは、国際的な取引や海外支払いを行うビジネスにとって非常に便利なポイントです。 - 24時間のサポート体制
多くのプラットフォームは、24時間365日のカスタマーサポートを提供しています。これは、問題が発生した場合に迅速な対応が可能であり、ユーザーに安心感をもたらします。
オンライン送金プラットフォームの台頭により、海外送金が以前よりも便利でコスト効果的になりました。これらのプラットフォームは、個人や企業が国際的な送金ニーズを満たすための信頼性の高い選択肢として急速に成長しています。