止まらない日本食レストランの普及
- タイの日本食店舗数の推移(2007年~)※青がバンコク
タイにおける日本食レストランの数は昨年20%以上増加し、今後もタイの外食市場を席巻する構えで、海外の同業他社を圧倒。日本貿易振興機構(ジェトロ)の最新市場調査によると、2022年のタイの日本食レストラン数は前年比21.9%(955店)増の5325店で過去15年で最高の伸びとなった。特にバンコク周辺の地方の日本食レストランが顕著な伸びを示した。
地方部では、2021年の2,297店から2,931店に増加した。内訳は、寿司店が1,431店、多彩な料理が楽しめる店が1,273店。残りはラーメン、すき・しゃぶ、居酒屋、焼肉・BBQ、カフェ、丼物、カレーなどだった。
2022年の店舗数の伸び率では、ラーメンと居酒屋が上位を占め、鉄板焼きとお好み焼きは最も低い伸び率となった。
- 種目別の日本食店舗数
コロナ禍の影響からも回復
数年にわたるパンデミックは相当な影響を及ぼした。独立型、チェーン店を問わず、約105の日本食レストランが営業を停止した。
ジェトロによると、まだ宅配注文を好む人がいること、販売促進が少ないことから、日本食レストラン事業は2019年の70~90%の水準に回復しているという。多くの消費者がオンラインチャネルで日本食を注文しているが、2020~21年のパンデミック最盛期と比べるとペースが落ちている。さらに、原材料の高騰が日本食レストラン事業にマイナスの影響を与えているとジェトロは指摘する。
タイでは、大半の日本食レストランが営業を再開している。
ZenやAKAを運営するZen Corporation Plcや、Oishi Group Plcが1月初旬に拡大計画を打ち出すなど、大手チェーンが今年、日本食レストランの拡大に躍起になっていることがよくわかる。
また、新たな日本食レストランブランドの参入も予想される。
その結果、店舗デザイン、商品提供、雰囲気、商品・サービスの革新という点で、このセグメントには多くの変化が予想される。
業界関係者は、コスト削減と消費者の利便性向上のために、テクノロジーの導入が進むと予測。
参照:バンコクポスト