タイEVISA完全ガイド|基礎知識・申請手順・注意点

近年、タイへの渡航において急速に普及しているのが「EVISA(電子ビザ)」制度です。これまでの紙ベースの申請とは異なり、すべてオンラインで完結できるため、世界中から多くの申請者がこの仕組みを利用しています。
このガイドでは、EVISAの仕組みや背景、対応しているビザの種類、実際の申請手順、注意点までをわかりやすく解説します。これからタイに長期滞在を予定している方や、申請を検討している方にとって、安心して準備を進められるよう網羅的な情報をまとめました。
目次
タイEVISAとは?|電子ビザ制度の概要と導入背景
EVISA(イービザ)とは、タイ政府が導入した「電子ビザ」制度のことで、従来の紙によるビザ申請手続きをオンライン上で完結できるようにした仕組みです。インターネットを通じて申請書類を提出し、審査が完了するとPDF形式のビザが発行され、プリントアウトして入国時に提示するだけで入国が可能となります。
この制度は、世界中の申請者にとって利便性とアクセス性を向上させることを目的に、タイ外務省および大使館・領事館ネットワークによって段階的に導入されました。特にコロナ禍以降、非対面・ペーパーレスの流れが加速し、EVISAの利用者が大きく増加しています。
紙のビザ申請との違い
- ⏱️ 手続きの迅速化:オンラインで完結するため、郵送や窓口訪問の必要なし
- 📄 ペーパーレス:すべての書類は電子ファイルで提出・管理可能
- 🌐 グローバル対応:日本を含む多数の国籍が対象。タイ国外から申請可能
- 🔐 セキュリティ向上:中央管理による申請状況の可視化と透明性の確保
EVISAは現在、観光・リタイアメント・帯同・就労・デジタルノマドなど、さまざまなビザカテゴリに対応しており、今後も拡大が見込まれています。次のセクションでは、EVISAで取得可能なビザの種類について詳しく紹介します。
日本からもEVISA申請できるの?
2025年1月1日から、タイのEVISA(電子ビザ)システムが日本からの申請も正式に対応しました。
これにより、日本にいながらスマートフォンやPCからすべての必要書類をアップロードし、オンラインでビザ申請と取得が完結できるようになりました。
これまでのように、タイ大使館に書類を郵送したり、窓口に出向く必要はありません。
PDF形式で発行されるEVISAをプリントして持参すれば、そのままタイに入国できます。
主要ビザカテゴリ | 主な目的 | 滞在期間 |
---|---|---|
観光ビザ(TR) | 観光・短期滞在 | 最長60日 |
リタイアメントビザ(NON-O) | 老後の長期滞在 | 最長1年(延長可) |
帯同ビザ(NON-O) | 家族(配偶者・子)の滞在 | 最長1年(延長可) |
教育ビザ(ED) | 学校・語学学校などの留学 | 就学期間中有効 |
ビジネスビザ(NON-B) | タイでの勤務・商用 | 雇用期間中有効 |
医療ビザ(NON-M) | 長期治療・付き添い | 医療期間中有効 |
ボランティアビザ(NON-O) | NGO等の活動 | 条件により異なる |
DTV(デジタルノマドビザ) | リモートワーカー向け | 最長5年(2年+延長) |
※その他、全てのEVISA対象ビザが申請可
すべての対応ビザカテゴリ一覧はこちら
現在、EVISAポータルでは観光・教育・リタイアメント・就労・ボランティア・医療・宗教・MICE等、30種類以上のビザタイプが表示されます。
詳しいビザの種類や要件については、以下の一覧ページをご確認ください。
一部のビザについて補足
- 「Elite Visa」や「LTR(長期居住)」ビザは、特別な制度のためEVISAポータルでの申請は非対応となっています(別途専用窓口あり)。
- これらを除けば、EVISA対応ビザについて国籍による制限は基本的にありません。
- 表示されないビザがある場合は、国籍選択や居住国設定に誤りがあるケースが大半です。
EVISA申請の流れ(共通プロセス)
タイのEVISA(電子ビザ)申請は、完全オンラインで完結します。以下は、すべてのビザタイプに共通する基本的な申請フローです。申請者が日本から手続きを行う場合も、海外滞在中に申請する場合も、原則としてこの流れに沿って進みます。
1. アカウント登録とログイン
タイ外務省の公式EVISAポータルにアクセスし、まずはアカウントを作成します。
登録には、メールアドレスとパスワード、氏名や国籍などの基本情報が必要です。アカウント作成後、ログインして申請を開始します。
2. ビザタイプと申請地の選択
申請するビザの種類を選び、タイ入国を希望するタイミングに応じた申請地(出発地・居住地)を指定します。ビザの種類によって、必要書類や審査日数が異なるため、事前確認が重要です。
3. 書類のアップロードと申請フォーム入力
パスポートや証明写真、渡航目的に応じた補足書類(残高証明・招聘状・在職証明書など)をPDFまたは画像でアップロードします。
あわせて、申請フォームに個人情報・滞在予定・滞在先などの詳細を正確に入力してください。
4. 申請料のオンライン決済
すべての情報を入力・確認後、クレジットカードまたはデビットカードで申請料を支払います。金額はビザの種類によって異なりますが、決済完了後に審査が開始されます。
5. ステータス確認と補足対応
申請後はマイページで審査状況を確認できます。場合によっては、追加書類の提出や再アップロードを求められることもあります。外務省からのメール通知を見逃さないようご注意ください。
6. EVISAの受領と印刷
審査に通過すると、PDF形式の電子ビザ(EVISA)が発行されます。
メールまたはマイページからダウンロードでき、プリントアウトしてパスポートと一緒に持参することで、空港での入国審査時に提示可能です。
7. タイ到着と入国審査
到着時にイミグレーションでEVISAを提示し、入国スタンプを受けて正式に滞在が開始されます。
通常の紙ビザと同等の効力があり、特別な手続きは不要です。
EVISA申請の注意点
EVISAは便利な制度ですが、申請に際しては細かい注意点も多く、思わぬトラブルにつながるケースがあります。ここでは、申請時に特に気をつけたいポイントをまとめました。
⚠️ 申請場所・国籍によって表示されるビザが異なるEVISAポータルでは、申請者が選択した国籍や現在地(居住地)によって、申請可能なビザの種類が異なって表示されます。そのため、本来申請できるはずのビザが「一覧に表示されない」ケースもあります。これはバグではなく、EVISAの仕様によるものです。
⚠️ 日本人が「日本以外の国に一時滞在中の場合」注意が必要例えば「日本国籍」でも、申請時に日本以外の国に滞在している場合(例:ラオス・カンボジア滞在中)には、ビザによっては対応できない、あるいは審査が厳しくなるタイプもあります。その国に実際に住んでいる場合(住所を示す書類が提出可能な場合)は問題ありませんが、一時滞在で隣国に行って申請する際は注意が必要です。最も確実なのは、日本又は居住国からの申請です。
⚠️ 複数回の申請やエラー再送信には制限ありEVISAポータルは、一度申請した内容を「途中で変更」することができません。また、同一人物による短期間での再申請は、重複エラーとなり審査に進めないことがあります。入力内容は必ず事前に確認しましょう。
⚠️ 書類不備は審査中に却下される可能性アップロードした書類に不備があった場合、外務省から「補足要求」が来ることがありますが、場合によってはそのまま却下されるケースもあります。特に画像の解像度、スキャンの傾き、ページ抜けなどには注意が必要です。
⚠️ 申請完了=ビザ取得ではない申請料を支払い、フォームを送信した時点では、まだビザは取得できていません。 正式な承認メールが届き、PDF形式のEVISAが発行されて初めて「ビザ取得完了」となります。申請後もステータス確認を怠らないようにしましょう。
ISJによるEVISAサポート
EVISAの仕組みは便利である一方、書類の不備や記入ミスによって承認が遅れたり、最悪の場合却下されたりするケースも少なくありません。ISJでは、こうしたトラブルを未然に防ぐため、タイ専門のビザサポートチームが申請準備から入国までをしっかりとサポートします。
ご自身での申請に不安がある方、スムーズかつより承認の確率を上げてビザ申請をしたい方は、ぜひISJのEVISA代行サポートをご活用ください。
Evisa申請代行の流れ
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⑴ 事前相談とビザ要件の確認
まず最初にお問い合わせからお客様のご希望や状況を伺いながら、最適なビザタイプと申請条件を確認します。ビザの種類によって求められる条件は大きく異なるため、この時点での正確な判断が非常に重要です。(希望するビザが既に決まっている場合は2へ)
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⑵書類のチェック・翻訳・補正
提出書類には英文の残高証明や住所の証明などが含まれますが、日本語のままでは申請できません。 ISJ代行では各種書類の翻訳はもちろん、画像の補正、形式変換(PDF化)、ファイル名の適正化まで対応します。細かな点がビザ取得の可否を左右するため徹底した確認を行います。
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⑶オンライン申請の代理入力と管理
EVISAポータルへの入力内容は、一度送信すると訂正できません。 ISJでは誤入力を防ぐため、すべての申請内容を確認の上で代理入力し、登録後のステータスも責任を持って管理します。申請状況の確認・進行も代行いたします。
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⑷承認通知・Eビザ(PDF)の受領・入国時の注意点案内
承認されたEVISAはPDF形式で届きます。印刷・保存の方法、入国時の提示方法などについても事前にご案内し、トラブルを避けるための準備をサポートします。「この書類だけで本当に入国できるの?」「入国審査官に何か聞かれることはない?」という不安も解消できるようサポートしています。
EVISAのよくある質問
観光ビザ(TR)など短期滞在の場合、基本的に入国後の追加手続きは不要です。
ただし、リタイアメントビザ(NON-O)など「3ヶ月ビザ → 1年延長」を前提としたビザでは、タイ入国後にイミグレーションで延長手続きが必要になります。
【ISJではタイでの1年申請もセットにした代行も取り扱っています】
EVISAの有効期限は、PDFビザに明記されています。「入国期限」と「滞在可能期間」は異なるため注意が必要です。通常、EVISAは発行から90日以内に入国し、入国後の滞在期間が設定されます。
はい、原則可能です。ただし、ビザの種類や連続申請の頻度によっては、入国時に入管から質問されるケースもあります。 ※特に観光ビザなど比較的簡単に取得できるビザの再申請を検討している場合は、十分な間隔や渡航実績を考慮する必要があります。
ビザの種類によります。観光ビザ(TR)等では不要ですが、例えば帯同ビザ(NON-O)や就労ビザ(NON-B)などではタイ国内にスポンサー(家族・雇用主等)が必要です。申請時には、その関係性を証明する書類(婚姻証明・雇用契約など)が求められます。
却下理由にもよりますが、原則再申請可能です。その場合、不備があった書類や入力内容を修正せずに再申請しても再び却下される可能性が高いため、内容の見直しと証明資料の強化は必要になります。
一度却下されて再申請をお考えの方はISJのEVISA代行サポートをぜひご活用ください。書類の詳細チェックに加え、前回不備だった書類に関する説明や今回の補助書類の添付や訂正箇所などについて、審査官に向けた英文カバーレター(説明レター)を付けて再申請します。
まとめ
タイへの渡航がより手軽になるEVISA制度は、日本でも2025年から本格的に利用可能となり、多くの方にとって有効な選択肢となっています。
特に観光ビザやリタイアメントビザ、帯同ビザなど、さまざまな目的に応じたビザがオンラインで申請できるようになったことで、渡航準備のハードルが大きく下がりました。
それでも、EVISAには細かな申請ルールや注意点が多く、些細なミスが申請遅延や却下につながるリスクも存在します。より確度を上げて申請したい方や、申請自体に不安を感じる方は、専門家によるサポートの活用も選択肢の一つです。
