タイ政府は、低所得者層の貯蓄促進のため、リタイアメント・ロトという新しいイニシアティブを導入した。この取り組みは国家貯蓄基金（NSF）を通じて実施され、魅力的な賞品を提供することで貯蓄を奨励する。個人はNSFアプリで50バーツのデジタルスクラッチロト券を購入でき、トップ5の当選者には100万バーツ、さらに10,000名に1,000バーツが授与される。購入額はNSF貯蓄口座に蓄積され、60歳以降にアクセス可能となる。
副財務大臣パオプーム・ロジャナサクル氏によると、このプロジェクトは関連法の改正を経て、より簡単に実施される予定だ。毎週金曜日午後5時に抽選が行われ、賞金は即座に引き出すことができる。また、未請求の賞金は次回の抽選に繰り越される仕組みだ。
リタイアメント・ロトは、主にリタイアした際の貯蓄システムを持たない非公式労働者を対象としており、貯蓄を促進する革新的なツールと見なされている。タイの労働力のうち、約2,000万人が非公式労働者であり、2015年に設立されたNSFにはこれまでに276万人しか加入していない。NSFの純投資価値は、2023年6月30日時点で118億バーツに達している。
タイは高齢化社会に急速に移行しており、多くの人々が十分な貯蓄なしで退職を迎えている。副財務大臣は、「リタイアメント・ロト」がこの問題の解決策の一つとして機能すると述べている。